記事 第16話
2015年1月22日、再追記。
先日、当ブログのコメント欄へ大変有意義な御質問を
頂きました。
コメント欄のスペースの関係上、返答しきれない部分も
有りましたので、このブログスペース下記に再掲載し、
更に詳細や写真も追記します。
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先ずは、暗室内のスキャナと、銀塩用雛形プリントを
担当するプリンターと、デジタル環境を紹介致します。
「Epson PX-V630 と GT-X970」
暗室内は、スペースの関係上、コンパクトサイズのPCが6台
同居し、リスク分散の為に、それぞれが専任の作業をしています。
現在メインOSが、XPから7に移行する過渡期な為、重複しても
いますが、一長一短な面も有るので、こんな構成になってます。
その内の4台が、パラレルポートで銀塩プリントの雛形プリントを
作るプリンター機、Epson PX-V630 とプリンター切替器を介して
繋がっております。
USBポートは、スタジオの音楽ファイルサーバーとも繋がています。
つまりこのプリンターは、5台と繋がっている事になります。
メインPCを決め、ネットワーク共有にしても良いのですが、紙詰まり
などの時に面倒なので、こんな切り替え方式にしています。
スキャナの、Epson GT-X970 には、その下の専用PCで使用します。
スタジオでは、SAS型HDD仕様タワー型ワークステーション機が
画像処理を担当し、事務室では、自作型のタワーPCやデータ用
ファイルサーバーが稼動しています。
更に会社では、ワークステーション達と、フレックスタイト スキャナ
達や、大型透過型フラットスキャナなども使用しております。
会社とスタジオなどは、クラウド環境で同期してます。
Macは、7.5.3 から、10.2 まで使っておりましたが、今は、Windowsと
LinuxOS環境に変えました。
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2014年、7月7日追記。
現在暗室内も、デュアルソケットXeonのワークステーションを
導入しております。
SAS型のHDD仕様ではなく普通のSATAのHDD仕様ですが、
撮影したRAWファイルを高速プレビューするスタジオ撮影とは
違い、撮影RAWファイルを保存・現像作業用なのでこの選択を
しました。
増大する撮影データに対応する為の追加導入です。
↑追記、ここまで。※以下、当初の記事です。↓
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「アーカイブ担当のインクジェットプリンター、Epson MC-2000」
Epson PX-5V や、Canon Pixus Pro-1 など高品位プリンターが
販売されていますが、購入したい決定版機とは私には言えない
ので、未だこの2台が引退出来ずにいます。
最新型機種には、まったく及ばない低性能の画像ですが、その
岩彩画(顔彩画)のような色合いと保存性の良さは、まだまだ
魅力です。
ただ光沢紙との相性は悪く、いつも頭を悩ませています。
(意外とキャノン光沢ペーパーとの相性が良く、またエプソンの
プリンター設定で用紙選択の写真用紙クリスピアが選べる
プリンターの場合は、その方が染み込みの馴染みが良いです。
それは、顔料+光沢の組み合わせ全般に言えます。)
そのため次世代機の、PM-4000PX では、インクに改良が
加えられ、樹脂皮膜が光沢感を出しますが、その分耐候性が
低下したとも言われております。
PM-4000PX を未だに愛用されている方も多いと思いますが、
やはり決定版機と言える機種が出ないと思う方が多いのでは
ないでしょうか。
PX-5500、PX-5600 などをお使いの方の満足感などもお聞き
したく思います。
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2014年9月4日、追記。
11月に、Epson PX-5Vの後継機種の、「SC-PX5V」を発売する
予定だそうです。
また新しい別のインクになるそうですが、もういい加減恒久的な
インクシリーズにして頂きたく存じます。
企業の営業方針にユーザーがついて行けなくなり、自家処理を
する人達が益々減り、写真文化の衰退がやがて業界の消滅に
繋がりかねない所に行きそうだからです。
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2015年1月16日、追記。
PIXUS PRO-10s・PIXUS PRO-100s が、発売することになり
ました。
PIXUS PRO-10・PIXUS PRO-100 の、後継機ですが、インクを
同じにしてマイナーチェンジにしたところが高評価です。
前にも書きましたが、毎回インクを新しい型にする商法が顧客
離れをおこしております。
短い修理サポート期間と相まって、自家プリント離れを引き起こす
元凶です。
今回のこの英断を高く評価し、これからも続けて貰いたいものです。
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2015年1月22日、追記。
メーカー情報によりますと上記新型プリンターは、ハード的には
全く同一で、ファームウェアのみの改良だそうです。
だとしたら旧型もファームアップで対応して、DPPでの確認も
出来るようにして貰いたいものです。
それくらいの太っ腹、出来ないものでしょうか?
↑※ 追記、ここまで。※以下、当初の記事です。↓
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では、前置きはこの辺にして、先日の御質問と私の返答を掲載
致します。
堀江さま
<暗室→明室!?>
仕事上でのデジタル撮影以外に、作品としての4×5
カメラを使用した製作をしています。
30年ほど、モノクロ現像・焼き付作業を続けてきま
したが、エプソンのGT-X970スキャナーの導入以来
(主にweb上への作業用に)ひょっとして、この
スキャナーから取り込んだ4×5ネガ転換画像を高品位
プリンターでプリントするというのは邪道だろうか?と
考えるようになりました。
エプソンのPX-5Vというかなり高品質のプリンター
はなかなか良さそうだと、エプソンにその旨を伝えると
「貴方が取り込んだ4×5ネガのデータを弊社に送って
ください、こちらでA3に焼いてお送りしましょう」と、
送り返されたプリントを見て、その解像度と「黒」の
絞まりに愕然としました。
子細に見れば当然ハイライトの「飛び」(表現不足)は
感じましたが、これなら明るい部屋で薬品による体への
影響・疲労・廃液処理を考えるといいかもしれないと
考えるようになりました。
しかし、現在あまりそのような使い方(無駄な?)を
している人は(特に日本には)あまりいないようです。
私はプリントされた印画紙に、何とも言えない愛着と
価値を感じています。
最近、各社より発売されるようになったかなり高価な
インクジェットなどプリンター機用のペーパー(中には
ドイツ製など)を見ていて、これは案外面白いかもしれ
ないと感じ、何か良いヒントはないものか?とネットを
みておりましたところこちらのサイトを知りました。
一時は重いし操作も悪から止めようか?と思っていた
4×5判での撮影、肖像写真(210mm)と静物
(90mm)がメインです。
フィルムは、慣れたトライXかイルフォードHP5を
使用して自家現像しています。
自分の不慣れさを反省するものの、4×5判だからこそ
掴める被写体(人・物とも)との関係、苦労するけど
得られる高い画質ようやく何かを”得た”ような気持ち
です。
しかし世はデジタルの時代、自分はこと日本社会にあって
は「浦島太郎」かもしれないね、と感じることも多いです
(笑)
最近「月光」とかイルフォードから発売しているかなり
高級なインクジェット紙、中にはドイツ製の相当に高価な
紙の数々を実際手で確かめてみて、いや、一見すると回り
くどいような、もったいないような方法だけど、1年近く
前から暖めているプリント方式、4×5のモノクロネガを
スキャンして(大全紙で1200dpiでも十分すぎるほどの
緻密さです)このデータをMacのフォトショップで加工
(主に焼き込み、レタッチング作業)そしてPX-5Vで
プリントというのも(100%満足は、無理かもしれない
けど)恐れずプリント作業に向かえること、薬品を使う事
からは解放されるという観点では(暗室ならぬ”明室”で
作業できる身体的負担低減)いいかもしれない、とかなり
意を堅くしているのですが、堀江さまは、いかが思われ
ますか。
やはりプリントは旧来の引き伸ばし機を使用しての焼き
付け→現像・プリント製作に徹するべきでしょうか?
このところ案外オリジナルプリントを売っているサイト
でも(清家トミオ氏などとかも)アーカイバル(!)
デジタルプリントと称して販売されているのを見て、
いつまでも化学処理ペーパーにこだわっていても荷が
重いかもしれないと考えるようになりました。
ただまあ、デジタルプリンターそのものの特性として、
一定のクオリティーを維持しようとすれば決してイージー
&チープコストとはいかず、案外お金はかかり(インク
そのものも使用する種類の多いことまた高価なこと)
これはこれで地獄かもしれないなとも覚悟しています。
そもそも”プリント”すること自体が「今の時代」では
ないことも感じています。しかしやはり紙に刻まれた
「絵」というものに強く惹かれるのです。
堀江さまのご意見いただけますと幸いです。
井上 喜雄
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井上 さま
<暗室+明室=ハイブリッドプリント>
私の拙いブログに、大変丁寧なコメントを頂きまして誠に
ありがとう御座います。
またご自身の作品などをご紹介頂き、興味深く拝見させて
頂きました。
さて私の独断的な考え方を申しますと、作品制作に限らず
全ての事にもコダワリを敢えて持たない事を心情として
生きておりますので、銀塩とデジタルを分けて考えており
ません。
おっしゃるとおり今時に暗室作業をするのは大変な苦行でも
御座います。
たとえペーパー自現機を使ったとしても準備と後片付け、
管理で数日を要します。
ではプリンターを使ったプリントワークが、簡便で安価
かと言えばそれも違います。
確かに少しずつ高度化していますが、未だ毎年のように
新型の機種が出ますし、その価格を上回る専用インクの
コストを強いられる結果が待っています。
既に技術か確立し、決定版と言える機種や素材がある銀塩と
違い、今、商売的にも新技術・新機種を出し続けなくては、
破綻してしまうプリンター業界・サプライ業界とのお付き
合いは、心中する覚悟がなければ続きません。
またインク画像の保存性向上は、退化している面も御座い
ます。
そこで役割分担させて、その両方を使っています。
ネガをスキャンしてデータ化した後は、安価な4色顔料
プリンターで暗室プリントのペーパー特性をイメージして、
その雛形プリントに相当するプリントを出力して簡易展示
・プレゼン用としています。
展示・長期保存用は、そのプリントを見ながら暗室プリント
か高性能プリンターで出力します。
既に好みのトーンが決まっていますし、比較しながらより
良い画像を作るのは、時間的にもコスト的にも無駄があり
ません。
この比較しながらの作業がとても判断基準として最善だと
思います。
特に覆い焼きの範囲や濃さなども先に決められます。
一からテストプリントを始めて、乾燥後にまたやり直しなど
していると時間などがいくら有っても大変です。
(それが暗室作業の楽しみの面も有るにはありますが。。。)
私は、暗室プリントワークに近い操作手段が使えるソフト、
Nikon Capture NX2 を愛用しています。
でも注意しなくてはならないのは、雛形プリントでも中間
トーンなどで銀塩の再現を上回る事もあるので、あくまでも
暗室で再現出来る範囲のデータを作ることです。
(4色顔料プリンターにしたのは、コスト面のチョイスと、
安価な染料プリンターでは、PX-5Vなどとトーンがかなり違い
ますので。)
現在、雛形用の安価プリンターは、3台同じ機種を持って
いますが、1台をAdobe RGB用、1台をsRGB用のPCに繋ぎ、
1台をデジタルスタジオのPCに繋ぎ、ポラロイドプリントの
代わりの出力用としています。
特にこれは華やかな色を安価に大量に出す為に、中華製の
染料インクを入れています。
長期保存は考えておりません。割り切って使っています。
純正インクより2桁も安いので、躊躇無くプリント出来る
のが嬉しいです。
色見本として渡すのに最適です。直ぐに色褪せするのが、
著作権管理上逆に嬉しいです。(笑)
でも色管理のプロファイルを使えないので、手動で色変更
しています。
純正インクでもロットが違うと色が変わるくらいですから、
割り切れば苦にはなりません。
以上、そんな感じで思い詰めないでプリント制作をして
います。
また最近は、デジカメデータを半透明紙にネガ出力して、
コンタクトプリントで印画紙に焼く実験もしています。
既にOHPシートを使う、先駆者的な方もおいでになりますが、
自作好きな私は、独自な素材で挑戦しています。
いずれはその事も書きたく思います。
私も最終的には、全ての写真をプリントとして手元に置き
たく思っています。
チバクロームが無くなってしまい、カラーのポジプリントの
手段が無いのは寂しいですが、カラーネガプリントもいずれ
ヤリたく思います。
昔は、表現手段のチョイスに無かったカラーネガですが、
今は新鮮な色に思えて来ました。
その時にも雛形プリントシステムは役に立つと思っています。
これからも井上様独自の作品制作活動に期待しております。
またそれを皆様にご紹介頂けたら幸いに思います。
今後もよろしくお願い致します。
堀 江 基 繁
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以上のように、ネガなどから直ぐに暗室でプリントを焼く
のではなく、一度スキャニングしてから、安価な顔料
プリンターで、その雛形プリントを一度出力して、更に
その後に、そのプリントを見ながら印画紙での暗室
作業や大型のプリンター出力作業をしています。
その方が、総合的にはコストと時間を節約出来るから
です。
そこまでするのは、やはり何らかの形でプリントを作って
作品としたい私がいます。
人それぞれ好みが御座いますので何とも言えませんが、
以上、何か参考になりましたら幸いです。
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追記。
Epson PX-V630 を選んだのは、製造終了後に安く
プリンターをまとめ買い出来たのと、新型がパラレル
ポートが無く、パラレル切替器が使えないからです。
また顔料カラーインクの42系は、プリンター2機種
専用タイプなので需要が限られいて、オークションで
未使用在庫が、安価に出品されています。
そして新品染料中華インクも他機種より安いのが、
選択理由にもなっていますし、独立型インクは、
色数が少ないほど交換頻度が多くないのも理由に
なっています。(PX-V630は、4色型。)
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追加。
https://sites.google.com/site/silverhalidephotography/Home/equipment
井上さんは、上記のホームページ版、Epson GT-X970
の記事をご覧になり、こちらのブログ版にも来られた
ようです。
※他の記事もご覧頂けたら幸いです。ブログトップへ。↓